2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

少し早いけど

いつの間にかこのブログを始めて一ヶ月経ち、もう十一月も終わりそうだ。今年もあと一ヶ月しか残っていない。あっという間にクリスマスが来て、歳末セールが始まり、紅白が流れて新年がやって来る。そのことが少し恐ろしい。私は今そんなことを思いながら、…

疼き

以前、病院についての話を書いたが、その派生として。古傷、についての話。 私の左手の人差し指には、小さな古傷がある。昔、小刀でざっくり切りつけて、整形外科で縫ってもらった傷だ。今ではもう、皺と同化して分かりづらくなっている。 今日、ふとした拍…

休日に

「でも結局はみんな死ぬ。」僕は試しにそう言ってみた。 「そりゃそうさ。みんないつかは死ぬ。でもね、それまでに50年は生きなきゃならんし、いろんなことを考えながら50年生きるのは、はっきり言って何も考えずに5千年生きるよりずっと疲れる。そうだろ?…

刹那

雪のように降ってきそうな、美しい星空の見える夜だった。その様をもっとよく見たくて、家を出た。着ぶくれするほど着込んでいても、剥き出しの顔面に冬の厳しい寒さが突き刺さる。くしゃみが出た。 近くの公園まで、暗い道をのんびりと歩いていく。かさかさ…

ダイエットに対して思うこと

夜食なんぞ食べていたら太る、とよく言われる。ような気がする。風呂上がりにお菓子を食べたら太る、だっただろうか。まあどっちでもいい。 今日のテーマは「太る」だ。 太る原因は、大局的に言って二つ。食べ過ぎてるか、動かないかだ。もっとも、食べない…

まだ冬の始まり

寒い寒い寒い。とにかく寒い。 風が冷たい。空気が痛い。外を出歩いていると、耳が千切れそうに痛む。元来冷え性気味の手先や足先が、感覚を失いかけている。 冬は嫌いだ。 冬、米をとぐのが辛くなる。冷たい水にいつまでも手を突っ込んでいなければならない…

給料で買い物

ものを買うのが楽しい。 アルバイトであれ就職であれ、労働の対価で金を得るようになり、その金でものを買うというのは快感である。正真正銘、自分の力で手に入れるものだからだろう。最近、それをひとしおに感じる。 そしてそのせいか、妙にものを買いすぎ…

病院とキカイ

入院した経験を持つ人間に、幼少期、妙なあこがれを抱いていた。 今でも、あれはなんだったんだろう、と時々考える。当時は入院することが、何かとても名誉なことのように見えていたのだろうか。実際には暇なばかりだし、ろくに出歩けないし、幼少の身であん…

憎まれがちなものたちについて

今日、道を歩いていると誰かの家の庭に植わっている楓の葉が、赤く色づいてアスファルトの道を覆っていた。風が強い日で、唸るような音が一つするたびに、舞い上げられた枯れ葉がかさかさと音をたてた。別の場所では鈴掛の葉が散らばっていたし、並木の銀杏…

海をください

その昔、誰かに訊かれたような記憶がある。 「空を自由に飛べるのと水にずっと潜れるのと、どっちがいい?」 なかなか、悩ましい質問だと思う。どっちも人間にはできないことだし、それ故に一度はやってみたいことだからだ。 昔から、折に触れて見る夢がある…

永遠の敵

アレルギー。 それは現代社会を生きる人間の一部に宿命のごとく立ちふさがり、我々の生活を阻害してくる。誰もをむしばむ花粉症を筆頭に、食物アレルギーは食べられるものを制限し、ダニやホコリ、ハウスダストは常に清潔との闘いを我々に強いる。現代社会に…

なぜ人間の作ったものに人間が悩まされなければならないのか。

電化製品にイライラした経験はないだろうか? 例えば、買ってきた家電の使い方がいまいち分からない、パソコンにインストールしたソフトの読み込みがうんざりするくらい遅い、Wi-Fiの繋がりが悪くてネットに繋がらない、などなど。 こういった現象に直面した…

ここからこれから

部屋に差し込む、真昼の太陽が暖かい。空も、町も、木々も、鳥の声も、何もかもが輝いている。冬の初めは、光がとても透き通っている。 新しい世界は、昨日と同じぐらい綺麗だ。 自分にとっての節目を迎えるとき、大抵の人間が言うことは「何も変わらない」…

缶コーヒーの、冬

月の光を見た。 何よりも、神々しい光だった。 冬の寒い夜、その冬初めてマフラーを巻いて外出した。どうにも気分が高ぶっていたのだ。バイト先でのこと、代わり映えしない日々、ぼんやりとした将来、何もかもに苛立っていた。 その夜、世界は輝きに満ちてい…

浜辺にて

ただの景色に、人はなぜこうも心を洗われるのだろう。 多分、人の手が入っていないからだと思う。 その日、唐突に海が見たくなった。 俺の住む町は海から遠い。だから、財布だけ持って電車に乗った。海のそばにある駅までは、大体2時間ぐらいらしい。ちっぽ…

生きててよかった

「生きていることってそれだけで奇跡」だという。 しかし、これほど現実味のない言葉も珍しいと思う。 より正確を期すならば「分かる人には分かるけれど分からない人には全然分からないし、しかも分からない人の方が圧倒的に多い言葉」だろうか。まあいずれ…