なぜ人間の作ったものに人間が悩まされなければならないのか。
電化製品にイライラした経験はないだろうか?
例えば、買ってきた家電の使い方がいまいち分からない、パソコンにインストールしたソフトの読み込みがうんざりするくらい遅い、Wi-Fiの繋がりが悪くてネットに繋がらない、などなど。
こういった現象に直面したとき、私は普段何かにイライラする以上にイライラしてしまう。普段だったらもう少し堪えるような状況でも、電化製品がらみのことだとなぜか癇癪を起こすのが早い。早々に投げ出すこともしきりだし、パソコンだと電源をぶっこ抜くこともしばしばある。
客観的に見るまでもなく、えらく醜い。自分でも回想するに堪えない。しかし今日も電化製品が思い通りに動かないと、私はすぐイライラした挙げ句あっさりぶち切れて、電化製品に対して悪態をつく。
なぜこんなにも、電化製品にイライラするのか。今日はそんなことを自分なりに考えてみた。
要するに私は、電化製品とはスムーズに動くべきものだと思っている、らしい。
我々の生活を便利かつ機能的にするべく開発されたはずの電化製品が、肝心の時に思うようにスムーズに動いてくれない。そのことが、普段上記のように考えている私には許せなくなっている、のかもしれない。だから電化製品がらみの面倒ごとが持ち上がったとき、必要以上にイライラしてしまうのだ。スムーズにいくべきものが、スムーズにいかないから。
この傾向が特に顕著なのが、パソコンだ。何かにつけて彼は、私をイライラさせてくる。
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・・・・・・・・・・・・いったい幾度、私は彼の頑なさに心をへし折られてきただろうか。なぜかことあるごとに、彼は私の要求を心なく突っぱね、独自の路線を突き進もうとするのである。何度やり直しても同じ返答を返し続けるその強情さに、何度叫び声を上げたかしれない。
ちなみに今現在も彼は、再生用ソフトをダウンロードしたにもかかわらずブルーレイを頑なに再生してくれず、私の堪忍袋を張りつめさせている。正直既に限界である。
なぜだ。なぜ、再生用ソフトが再生をしてくれないのだ。唯一の役割を放棄するなんて、ソフト失格だとは思わないのか? それとも、パソコン本体に問題があるのだろうか? 色々試してはみても、彼はやっぱりうんともすんとも言わない。
なんだか疲れた。考えてみれば、なんとも不毛極まりない。
明日専門家に聞いてみることにしよう。というか、もう、DVDでいいや。
ブルーレイの利点がなんなのか、一度ググってみようと考えた、初冬の夜であった。