永遠の敵

  アレルギー。

 それは現代社会を生きる人間の一部に宿命のごとく立ちふさがり、我々の生活を阻害してくる。誰もをむしばむ花粉症を筆頭に、食物アレルギーは食べられるものを制限し、ダニやホコリ、ハウスダストは常に清潔との闘いを我々に強いる。現代社会に生きていこうと試みる限り、イニシャルGとアレルギーとは宿命的に闘い続けなければならない。

  かく言う私自身もまた、花粉症とホコリアレルギーを抱え、年がら年中鼻づまりとの飽くなき戦いを続けている。ちょっとでも薬を切らしたり、耳鼻科へ行くことをサボろうものなら、たちまちのうちに鼻で呼吸ができなくなる。厚着をしなければならない冬は、ことさら劣勢に追い込まれ、常にティッシュを持ち歩かねばならない。本当にキツい。掃除も一苦労だ。

 

 アレルギーとは、平たく言えば免疫機能のバグである。

 体内に侵入した異物に対し、体が元々持つ免疫機構が過剰反応を起こし、それらに必要以上の攻撃を加える結果云々。ま、細かい説明は面倒だし誰特だから省こう。もし詳しく知りたい人がいるなら、Wikipedia先生に尋ねてみてほしい。

 ともあれ。

 要するに我々は、我々の体自体によって苦況へと追い込まれているわけである。初めてこれを知った時には、ちょっと愕然とした。それまではてっきり、何らかの病原菌が自分の体に悪影響を及ぼしているのだと思っていたからだ。

 それから、気になって色々調べたことがあった。なんでも、昔の人間というのは今ほどアレルギーに苦しんでいなかったらしい。いわゆるアレルゲンに接触する機会が、清潔極まる現代社会とは比べものにならないくらい多く、そのため幼少のうちにアレルゲンを攻撃しなくてもいいものだと免疫機構が学習するらしい。そりゃ昔の人間は、ホコリアレルギーで苦しんだりしなかったろう。羨ましい話だ。

 

 と、まあ、蘊蓄なんぞ述べたりしてはみたが、馬鹿馬鹿しくなってきたから結論。

 

 誰かアレルギーを駆逐してくれ

 

 ほんとにマジでお願いする。もう鼻をかみ続ける生活はうんざりなんだ。

 ・・・・・・・・・しかし、自分で調べた情報を鑑みれば、私の免疫機構を駆逐するというのが一番手っ取り早い方法らしい。しかしそうすると、アレルギー以上に厄介な病原菌が私の体内で好き勝手やりたい放題やることになる。毎日四六時中暴れん坊将軍よろしく、はさすがに御免被りたい。

 そうなると結局、今まで通り耳鼻科通いか。

 なんだか、世の中の諸問題に似ている気がした。現状を改善したい。じゃあこうしよう。しかしそうするとこっちが。じゃ結局今のまましかないか。議論白熱の問題だろうと、大体いつもこんな感じだ。

 書いていたら、また鼻づまりが鬱陶しくなってきた。鼻をかんでも効果はほぼゼロ。

 ああ、アレルギーつらい。なんか涙出てきた。