ダイエットに対して思うこと

 夜食なんぞ食べていたら太る、とよく言われる。ような気がする。風呂上がりにお菓子を食べたら太る、だっただろうか。まあどっちでもいい。

 今日のテーマは「太る」だ。

 

 太る原因は、大局的に言って二つ。食べ過ぎてるか、動かないかだ。もっとも、食べないせいで太る場合もあるらしいので、一概には言えない。そんな当たり前の話をしてもしょうがないが。

 Ⅱ型糖尿病患者とやることは一緒だ。食うな、動け。以上である。

 しかしまあ、近ごろ少しだけ考えたことがある。

「痩せていることと太っていること、いったいどっちが良いのだろう?」ということだ。

 きっかけは先日、妹に誕生日プレゼントのリクエストを尋ねたときに「ダイエットの本」と即答されたことだ。そもそも以前から妹は体重を気にしていたのでさほど驚きもしなかったのだが、しかし主観混じりを承知で言うが、妹は本人が言うほど太ってはいないのである。つまり要するに「世間一般では『年頃の女性はこれぐらいの体重であらねばならぬ』という数値があるのだが、自分はそれより重い」から、ダイエットに励んでいるらしい。

 ・・・・・・・・・・・・そこまで気にしなくちゃならないのだろうか?

 

 肥満体型や痩せ形の人間が目立つのは、単にそれが「極端な」ためである、というのが私個人の意見だ。ぱっと見ただけで他人の体重を正確に判別できる人間なんていやしない。つまり体型、見てくれの問題であって、厳密な数値の問題では実はないのではないか? と思う。だから、実際の体型は言うほどひどくない(少なくとも私がそう思う)人間がダイエットや、あるいはその逆の行動を起こしたりしていると「口出ししない方がいいんだろうな」と分かってはいるのだが「別に大丈夫だろう」だと思ってしまう。実にKY。

 これは多分、私がその手のことを気にしたことがないためもあるのだろう。本気で気にしている人間にしてみれば、他の何より優先的に対処するべき事なんだと思う。否定はしない、否定はしないよ。だってこの世の闇というものがあるから(よく食べる女の子が好き!ただし)。

 

 体裁を考えず正直に言ってしまえば、私も世の言説に振り回される。だから同性異性問わず、他人の体型に対して多かれ少なかれ偏見を抱いているのは間違いない。しかし、とりあえずそれだけで判断してはならない、ことも知っている。重要なのはそこなのだ。事実はそれだけである。それを、主観を介していかように受け止めるのか。そここそが本当に気にされるべきところなのだろう。

 それに昨今は随分といろんな趣味嗜好が存在している。極端な肥満や痩せをむしろ求める嗜好も、この先必ず出てくると思う。というか既に出てきているかもしれない。

 平安時代の美人というものは、現代で言う「デブ」の部類の人々だったらしい。しかもその上に更に白粉を塗りたくり、歯をお歯黒で真っ黒に染め、口には真っ赤な紅を塗り、眉毛は麻呂みたいな丸形に整えていたそうだ。・・・・・・・・・・・・言っちゃあれだが、事故物件じゃないか。

 人間の嗜好なんて、すぐ変化するものである。だから大丈夫だ、皆。

 

 しかし勿論、妹に面と向かってこんなことは言わない。

 面倒臭い逆襲をくらうのが落ちだからだ。