給料で買い物

 ものを買うのが楽しい。

 アルバイトであれ就職であれ、労働の対価で金を得るようになり、その金でものを買うというのは快感である。正真正銘、自分の力で手に入れるものだからだろう。最近、それをひとしおに感じる。

 そしてそのせいか、妙にものを買いすぎてしまう。後先考えなくなってきている。危険な兆候だ。

 先日も深く考えずに一万円近くも買い物をしてしまい、家に帰ってからちょっと落ち込んだ。楽しいのだが、生活がどんどん心配になっていく。でもなんか楽しくて、ちょこちょこ細かい買い物をしてしまう。私は、もう浪費家と呼ばれても言い返すことが難しいかもしれない。若干忸怩たるものがあるが、すべては自分の蒔いた種だから何も言えない。そして今日も・・・・・・・・・・

 

 私の趣味の一つは、店を覗くことだ。

 一番多いのはスーパー。特に買うものもないコーナーをぶらぶら歩き回るのが楽しい。しょっちゅう長時間過ごしている。結局買うのは本当に必要なものだけのことが多いのだが、それでも飽きることなく繰り返している。同じ系列の別店舗を覗くのも割と面白かったりして、思わぬ値引き品に出会ったりすることもある。

 同様に面白いのが、本屋とリサイクルショップだ。頻繁に品揃えや価格が変動するので、短期間に行ってもそのたび目新しかったりする。そのせいか、結構頻繁に買い物をしてしまう。買ってきた古本が積ん読になってしまっているのが、時々気にかかる。しかし、読む時間も多くはない。積ん読は別にして、必要だから読まなくてはならない本があるというのは、面白くないものだ。

 

 店舗覗きの派生として、メニュー見物もある。ファミレスやらレストランやらで、食べるものを頼んだ後、暇つぶしとしてその店のメニューを眺めるのだ。これも、妙に楽しい。メニューに載っている料理の味を想像してみたりすると、待っている料理がもっと美味しくなる気がする。予算的に頼めないとき、デザートの欄を眺めるのもなんだか味わったような気分になれる。

 写真付きのメニューを見るのが最も楽しいが、文字だけのメニューを見てそれがどんな料理なのか想像してみるのもまた違った面白さだ。ただこの楽しみのネックは、一度ものを頼んだ後はメニューが片付けられてしまうことが多いことだろう。そもそも私は平素あまり外食をしないので、この遊びはたまにしかできない。でもやれるときは、邪魔にならない範囲で結構楽しむことにしている。

 

 ただまあ、浪費癖だけはなんとかしないとなぁ。書いていてつくづくそう思った。

しかし同時に、きっとまたろくでもない買い物をしたりするんだろうな、と諦めている自分がいたりするのも確かだ。

 せいぜい楽しめるように、頑張って働こう。どうせなら、楽しく生きていたい。