Star Inn Tokyo日記 10

 慣れてきたといっても、それでもまだたった10日。生来の性質も相まって、やり落した仕事が日々ちょくちょく出てくる。そういう時、友人兼上司がカバーしてくれるのがありがたい。彼はいつもここにいるわけではないが、いるときは何かしら助けてくれるし、いない時でも遠隔で支持をくれる。本人曰く人の上に立つのは慣れてないそうだが、私には十分すぎる。できる限り煩わせないように努力しよう。もっとも、クレーマーなんぞ襲来した場合はその限りではないが。

 

 

 昨日まで長期滞在していたフランス人の二人組が、きょう本国に帰っていった。しかし、昨日日付超えてもカラオケで散々歌って、そこから荷物の整理をしていたはずだからあまり寝ていないはずなのだが、やけに元気だった。体力どうなっているのだろう?

 昨晩はカラオケに出かける直前に更新したので、その模様を少しだけ。行ったのは私と、彼ら二人、それに当日滞在していたベルギー人の男性客合わせて四人である。さしあたり2時間とって部屋に入ったのだが、最初から最後まで彼らはずっと歌いっぱなしだった。それも主として、日本のアニソンを。時折私が全く知らない英語やフランス語の曲も入れるのだが、断続的にアニソンが投入される。おかげで私もだいぶノれたし、退屈しなかった。一安心である。

 ことに人気があったのが、ジョジョNARUTOだ。テーマソングを誰かが歌うと、サビで大合唱が起こる。その時の熱量のすさまじさは、隣の部屋で歌っていたおじさんたちの集団をはるかに凌駕していた。「シルエット」を歌っていた時など誰もが喉を枯らしかねない勢いだった。誰一人酒は入っていなかったにもかかわらずである。若さとは真に恐るべきエネルギーである。私もそれに少なからずあやかっているが。

 彼らがいなくなってしまったので、職場がいくらか静かになってしまった。しかし午後になって友人兼上司から聞いたところによれば、彼らは帰りのフライトの日取りを一日勘違いしていて、今空港そばのホテルに泊まっているらしい。去ってなお、退屈させてくれないとは、とても楽しくいいお客様だった。

 

 

 彼らを見送るために早起きしたので、私も友人も寝不足気味だった。特に友人はらしくもなく眠り込んだりしていたので、ねぎらいと感謝を兼ねて夕飯を彼の分も作った。わりに好評で嬉しかった。自分の料理を自分以外が食べたことなど、家庭科の授業ぐらいでしかなかったから、また一ついい思い出ができた。