Star Inn Tokyo日記 3

 お客がやってくるのを待っている間、なにもせずにフリースペースでぼうっとしていると、上の部屋で泊まっている客が立てる物音が聞こえてくることがある。多分、連日秋葉原に出かけている長期のフランス人が立てているのだろう。荷物を買いすぎたから送るのだ、と買い込んだものを纏めながら話していた。今は貧乏生活だが、いつかそんなことも言ってみたいものだ。

 

 

 今日も今日とて、イレギュラーの後始末と戦うことに時を費やして日が暮れていった。洗濯がらみのことだ、とだけ書いておくことにする。どうせ書いたところでろくでもない苦労話だ。そんなことと愚痴は、自分だけの日記にこっそり書いておくもので、誰かに見せるようなもんじゃない。ま、ともかくもどうにかなって、やれやれだ。

 そういうわけで、今日はやれやれついでに夜の散歩に出かけてきた。青砥の町には、中川という、荒川へ注ぎ込むそこそこ大きな川が流れている。今日は、そこに架かる橋まで友人に連れていってもらった。遙か彼方まで明かりだらけの東京特有の景色の中に、600メートル越えの馬鹿高い鉄塔が一つ、ぼんやりとライトアップされてそびえ立っている。大分離れたところにあってもやけに近くにあるように見える。それは日本一の大きさの証だ。そんな景色を眺めながら煙草を吹かした。住み込み生活四日目だが、煙草の消費量がえらく増えている。悪い兆候だ。気にしないけど。

 

 

 せっかくしばらくいるからと、飯を食う店は毎日変えて色々開拓に勤しんでいる。元々そう言うのは好きなのだが、青砥駅前は飲み屋が溢れていて、どちらかと言えば一人で入るような飯屋は限られている。一人で入って、酒も飲まずに過ごす居酒屋というのも、ネタとしてはありだろうが。

 そういうわけで今日は、青砥駅のすぐそばにある「更科ゆたか」というおそば屋さんで夕食を取った。↓このお店だ。

 メニューを眺めたら、和風カポナータ、なる謎メニューがあって驚いた。個人経営の蕎麦屋やラーメン屋には、しばしば独創極まるメニューがあるが、ここもそうらしい。店も一家で経営しているようで、夕飯時で混みあった店内では早くもお酒の入っているおじさんたちが陽気にしゃべくっていた。

 とりあえず私は、好物の親子丼を注文してみた。

 具の中に切ったナルトが入っていて、その淡泊な味わいが面白い。熱々の味噌汁も家庭の味わいだ。つまり、とても美味しい。行き当たりばったりにしては、なかなかの当たりだった。また行ってみたくなる。今度はちゃんと、蕎麦の一つも頼んでみよう。

 

 

 今日もそんな一日だった。

 ただ一つ、今更思い出した。

 自分はあまり写真を取る習慣がないのだ。

 あまり、ブログを書くには向いていないかもしれない。