Star Inn Tokyo日記 8

 遅くにチェックインのお客を待っている間、国籍入り交じるお客たちと話し続けていたら、気づけば日付を超えていたことに気づいたので急ぎの更新である。それでも面白いことはあった。というか、お客と話していることがもう楽しい。自分のこと、相手のこと、ミクロもマクロものべつまくなしだ。まして酒が入っているとなれば、もう眠くなるまで止まらない。ここが、明日があることが前提の場所であることが悔やまれる。

 

 

 今日はまた、新規のお客様が多かったのでそのぶんベッドを作る量も多かった。あくせく働いていたら昼飯のタイミングを逃し、夜はさらっと弁当で済ませた。安くて量の多い弁当屋は、本当に助けになる。時間があったら、今度写真をアップしておこう。お客の中でも使う人の多い場所だ。

 今日の新規のお客の中には、実に面白い人間が多かった。例えば、学生だというベルギー人の男性。フリースペースにおいてあったNINTENDO64に興味を示し、やりたいと言ってやり始め、夕方から夜までずっとマリオをプレイし続けていた。しかも集中力が凄く、周りで私たちスタッフを含む他のお客が話していても意に介さない。ヒゲの配管工恐るべしである。そして任天堂万歳。更に言うなら、彼の寝間着は浴衣に下駄だった。ヨーロッパの方であるからか、上背があるから実によく似合う。日本人の小柄さだと、どうしてもいささかの補正が必要だというのに。遺伝子が得をしている。負けだと思う気はさらさらないが。

 

 あるいは、日本人の二人連れ。ダブルベッドのお部屋にご宿泊である。なんでも結婚の予定があるそうだ。予定は未定だと言って笑っていた。その方々がビールを差し入れてくれたので、たまたま居合わせたマネージャー共々夜のフリースペースで大盛り上がりとなった。さらには長期のフランス人や前述のベルギー人、さらには同じく新規の宿泊となるメキシコ人たちも加わっての予期せぬ宴会となった。酒の席故か辛辣な話題もゲスい話題も実に様々、大人のジョークというものにこれほど多々触れた機会もなかなかなかった。私とて多少ぶっ飛んでいたことは否めないが。

 まあ、楽しかったから良しとしよう。それが何よりだ。

 

 

 今はみんなそれぞれの部屋に戻り、一階フロントは随分静かになった。そこに腰かけてこれを書いている。

 そばではまだ、ベルギー人の彼とマネージャーが話している。冗談とは言え、互いの遍歴を暴露し合っている大人というのは、ばかばかしいを通り越して笑える。実にクレイジーだ。できることなら、私もあやかりたいところである。

 しかし、四十七歳の女性との交際経験というのは、いったいどういうものなのだろう。国が違えば人生はなお大違いだ。